【2026年最新】VPNとは?初心者にもわかる仕組み・種類・メリットから無料VPNの危険性まで徹底解説

VPNとは

カフェでのテレワークや海外出張、さらには日常的なインターネット利用において、「VPN(仮想プライベートネットワーク)」という言葉を耳にする機会が爆発的に増えました。

しかし、「セキュリティに良いらしい」と知っていても、「具体的にどういう仕組みなのか分からない」「設定が難しそう」「無料のアプリを入れておけば十分なのでは?」と疑問を抱えている方は少なくありません。実は、VPNの仕組みを正しく理解せずに誤ったサービスや設定を選んでしまうと、逆に情報漏洩のリスクを高めてしまうこともあります。

この記事では、一流のSEOコンテンツディレクターおよびネットワークエンジニアの視点から、専門知識がない方でも完全に理解できるよう、VPNの基礎から技術的な仕組み、各種プロトコルの違い、導入メリット、そして「広域イーサネット」などの法人向け高度ネットワークとの違いまでを4500文字以上の圧倒的なボリュームで徹底的に解説します。

1. VPN(仮想プライベートネットワーク)とは?基礎知識をわかりやすく解説

VPNの意味と「仮想専用線」と呼ばれる理由

VPNとは「Virtual Private Network」の頭文字をとった言葉で、日本語では「仮想専用線」と呼ばれます。

インターネットなどの誰もが利用できる公衆回線上に、特定の関係者のみが通れる「仮想的な専用の抜け道(トンネル)」を構築する技術のことです。

専門用語の補足:

  • 公衆回線: 不特定多数のユーザーが共同で利用する、一般的なインターネット網や電話回線網のこと。

かつて、企業の拠点間を安全に結ぶためには「専用線」を敷くしかありませんでした。専用線は他者が絶対に侵入できない物理的なケーブルですが、距離が離れるほど莫大な工事費と月額コストがかかるというデメリットがありました。

これに対しVPNは、既存の一般インターネット回線を利用しながら、ソフトウェアと暗号化の力によって、まるで専用線を丸ごと1本引いたかのような安全な環境を仮想的に作り出すことができます。この「コストを抑えつつ安全性を担保できる」という圧倒的な利便性が、現在のビジネスインフラとして普及した最大の理由です。

なぜ今VPNが必要なのか?(テレワーク普及と公衆Wi-Fiのリスク)

2026年現在、企業だけでなく個人にとってもVPNが「必須の装備」と言われる背景には、私たちのライフスタイルとサイバー脅威の劇的な変化があります。

  • ハイブリッドワーク・テレワークの日常化
    自宅やコワーキングスペース、カフェなどから、会社の社内サーバー(顧客情報や機密データ)へアクセスする機会が当たり前になりました。しかし、一般的な回線でそのまま接続すると、通信の途中で悪意ある第三者にデータを盗み見られたり、改ざんされたりするリスクが常に付きまといます。
  • 公衆Wi-Fi(フリーWi-Fi)に潜む罠
    ホテル、カフェ、空港などで提供されている無料の公衆Wi-Fiは、非常に便利ですが通信が暗号化されていないケースが多々あります。また、実在する店舗のWi-Fiに名前を似せた「なりすましアクセスポイント(悪魔の双子攻撃)」をハッカーが設置していることもあり、これに接続するとクレジットカード情報やログインパスワードが簡単に盗聴(スニッフィング)されてしまいます。

専門用語の補足:

  • 盗聴(スニッフィング): ネットワーク上を流れるデータパケットを不正にキャッチし、中身を覗き見る行為のこと。

VPNは、これらの危険に満ちた野良ネットワークの中から、あなたの通信データとプライバシーを完全に保護する「デジタルの装甲車」として機能するのです。

2. 図解でわかる!VPNの通信を安全にする4つの仕組み

「なぜ、誰でも使えるインターネットの中で安全性が保たれるのか?」その疑問を解消するために、VPNの心臓部である「4つのコア技術」を分かりやすく解説します。VPNは、これらが絶妙に組み合わさることで強固なセキュリティを実現しています。

【通常の通信(危険)】
ユーザーのデータ ──── (丸見えのインターネット) ────> 目的地(社内サーバー等)

【VPNの通信(安全)】
ユーザーのデータ ── [ 認証 ──> カプセル化 ──> 暗号化(トンネル内) ] ──> 目的地

① トンネリング(仮想の専用抜け道を作る)

インターネットという、不特定多数が行き交う巨大な交差点の中に、外部からは絶対に中身が見えない「専用の地下トンネル(パイプ)」を通す技術です。

通信の始まり(あなたのPC)から終わり(VPNサーバーや社内ルーター)の間に仮想的な直通ルートを確立することで、同じ回線を使っている他のユーザーからの干渉やハッキングの視線を物理的に遮断します。

② カプセル化(データを別の箱で包み込む)

送受信するデータ(パケット)を、さらに別の新しいデータ形式(ヘッダー情報など)でスッポリと包み込む技術です。

荷物で例えるなら、「中身や本来の宛先が書かれた手紙を、中身が見えない頑丈な別の大きなアタッシュケースに入れて鍵をかける」ようなイメージです。これにより、データの本当の目的地や送信元の情報(IPアドレス)が外部から見えなくなり、パケットの改ざんも防がれます。

専門用語の補足:

  • パケット: ネットワークを通じて送信される、細切れに分割されたデータのまとまりのこと。

③ 暗号化(中身を意味不明な文字列に変換する)

万が一、極めて高度な技術を持つサイバー犯罪者によってトンネルが破られ、カプセル化されたデータが盗まれたとしても、中身を絶対に読ませないための技術です。

元データを複雑な数学的計算(アルゴリズム)によって、不規則な文字列へと変換します。現在、主要な有料VPNで標準採用されている「AES-256」という暗号化規格は、国家機密レベルの防衛にも使われており、現代のスーパーコンピューターをフル稼働させても解読に天文学的な時間がかかるため、事実上突破は不可能です。

④ 認証(通信の双方が本物かを確認する)

トンネルの入り口と出口、あるいは通信を開始する段階で、「アクセスしようとしているユーザーは本当に正規の権限を持っているか」「接続先のサーバーは偽物ではないか」を厳格にチェックする仕組みです。

IDやパスワードだけでなく、デジタル証明書や二要素認証(MFA)を組み合わせることで、第三者のなりすましによる不正侵入を未然に完全にシャットアウトします。

専門用語の補足:

  • 二要素認証(MFA): パスワードなどの「知識」に加え、スマホへの通知などの「所持」や指紋などの「生体」から2つの要素を組み合わせて認証する手法。

【重要】HTTPS通信との決定的な違い

普段私たちが利用しているWebサイトの多くは、URLが「https://」から始まっており、これも通信が暗号化されています。しかし、これは主にWebブラウザと特定のWebサイト間の通信内容だけを守る「片側認証」に近いものです。

一方のVPNは、パソコンやスマホから発信されるすべての通信(各種アプリの通信やメール、ファイル共有など)を丸ごと包み込み、通信を行う双方がお互いの身分を厳格に保証し合うため、HTTPSよりも遥かに防衛範囲が広く、信頼性の高い通信経路となります。

3. 【用途別】VPNの主な種類と特徴(IP-VPNから広域イーサネットまで)

一口にVPNと言っても、法人向けの大規模なインフラから個人向けのアプリまで、その種類は様々です。特にビジネスで導入を検討する場合、どのネットワーク(回線)を利用するかによってコストや安全性が劇的に変わります。ここでは主要な4つの分類を徹底比較します。

① インターネットVPN

一般の家庭や企業が契約している公衆インターネット回線を利用し、その上にVPN環境を構築する方式です。

既存の回線をそのまま使い、安価なVPNルーターや専用ソフトウェアを導入するだけで始められるため、初期費用・月額コストを最も低く抑えられるというメリットがあります。主に中小企業の拠点間接続や、リモートワークのアクセス手段として広く普及しています。

② IP-VPN

インターネットではなく、通信事業者(NTTやKDDIなど)が自社のお客さま専用に用意した「閉域網(へいきもう)」と呼ばれる独立した専用ネットワークを利用する方式です。

不特定多数のハッカーが存在するインターネットを一切通らないため、インターネットVPNに比べてセキュリティが格段に高く、通信速度も安定(帯域保証・優先制御)しているのが特徴です。官公庁や大企業の基幹システム、金融機関のデータ通信など、1秒の遅延も許されない極めて高い信頼性が求められる環境で導入されます。

専門用語の補足:

  • 閉域網: インターネットとは物理的あるいは論理的に完全に隔離された、契約者だけがアクセスできる安全なネットワーク網のこと。

③ 広域イーサネット

IP-VPNと同じく通信事業者の閉域網を利用しますが、技術的な通信レイヤー(階層)が異なります。IP-VPNが「レイヤー3(ネットワーク層)」で通信を制御するのに対し、広域イーサネットは「レイヤー2(データリンク層)」で接続します。

これによる最大のメリットは、企業独自の複雑なネットワークプロトコルを自由に使用でき、まるで1つの巨大なオフィス(LAN)にいるかのような柔軟なネットワーク構築ができる点です。ただし、自由度が高い反面、自社に高度なネットワーク管理者がいなければ構築・運用が難しく、コストも高額になりがちです。

【徹底比較】インターネットVPN・IP-VPN・広域イーサネット

自社の要件に最適な方式を見極めるため、それぞれの特徴を表にまとめました。

比較項目インターネットVPNIP-VPN広域イーサネット
利用する回線網公衆インターネット網事業者専有の閉域網(L3)事業者専有の閉域網(L2)
導入コスト非常に安いやや高い高い(距離や帯域依存)
セキュリティ暗号化必須(設定次第でリスクあり)極めて高い(暗号化不要なほど安全)極めて高い(最高峰の安全性)
通信速度の安定性低〜中(周囲の混雑に左右される)高い(帯域保証・優先制御あり)極めて高い(完全な帯域確保が可能)
構築・運用の自由度低(IP通信が基本)中(事業者の仕様に準拠)非常に高い(プロトコル制限なし)
主なターゲット中小企業、在宅勤務、個人利用大企業、金融機関、医療インフラ複数拠点を大規模に結ぶ超大手企業

リモートアクセスVPNと拠点間VPNの違い

ネットワークの接続形態によっても、以下の2種類に大別されます。ユーザーの「働き方」に合わせて組み合わせるのが一般的です。

  • リモートアクセスVPN(個人から拠点へ)
    従業員のパソコンやスマートフォンに専用のVPNクラインアントアプリをインストールし、社内に設置されたVPNゲートウェイに接続する方式です。外出先、出張先のホテル、在宅勤務環境から社内システムに安全に入るために使用されます。
  • 拠点間VPN(拠点から拠点へ)
    「東京本社」と「大阪支社」などのオフィス同士を、それぞれのオフィスに設置したVPNルーター間で常時接続する方式です。一度設定してしまえば、社員は個別にアプリを起動することなく、隣の席のパソコンにアクセスする感覚で遠隔地の共有サーバーを利用できるようになります。

4. VPNの安全性を左右する主要な「プロトコル(通信手順)」

VPNの安全性や通信スピードは、どのようなプロトコル(通信の手順やルールの規格)を採用しているかによって大きく左右されます。導入時にどれを選ぶべきか、代表的な4つの規格の特徴を解説します。

専門用語の補足:

  • プロトコル: コンピューター同士がネットワークを通じて円滑に通信を行うために定められた、共通の約束事(通信規格)のこと。

① IPsec(アイピーセック)

主に拠点間VPNや、強固なセキュリティが求められるビジネス通信で最も広く利用されているプロトコルです。

OSI参照モデル(ネットワークの階層)の「ネットワーク層」でデータを暗号化するため、特定のアプリに依存せず、すべての通信データを漏れなく暗号化できるという高い信頼性を持っています。ただし、接続のための初期設定や専用機器の導入にやや専門知識が必要です。

② SSL / TLS(エスエスエル / ティーエルエス)

私たちが普段使っているWebブラウザ(Google ChromeやSafariなど)に標準搭載されている暗号化技術を利用したプロトコルです。

ユーザー側が特別なソフトウェアをインストールする必要がなく、ブラウザを開いて特定のURLにアクセスするだけでVPN接続が完了するため、リモートワークにおける社内ポータルやWebベースのシステムへのアクセス手段として爆発的な人気を誇ります。

③ L2TP / IPsec(エルツーーティーピー・アイピーセック)

データをカプセル化する「L2TP」という技術と、暗号化を行う「IPsec」を組み合わせたプロトコルです。

多くのパソコンやスマートフォン(iOS、Windows、Android)に最初から標準機能として組み込まれているため、追加費用をかけずに手軽に設定できるのがメリットです。セキュリティも十分に強固ですが、通信の処理プロセスが多いため、次に紹介する最新規格に比べると速度面で一歩劣る場合があります。

④ OpenVPN / WireGuard(オープンブイピーエヌ / ワイヤーガード)

主に個人向けの高性能VPNサービスや、最新のIT企業で主流となっているプロトコルです。

  • OpenVPN: 非常に安定しており、セキュリティのカスタマイズ性が高く、検閲などのブロックを回避する能力に優れています。
  • WireGuard(2026年現在の最主流): OpenVPNの次世代として開発された最軽量プロトコルです。プログラムのコード数が圧倒的に少ないため、暗号化の強度はAES-256と同等以上でありながら、バッテリーの消費を抑え、驚異的な通信速度(低遅延)を実現しています。今からVPNを選ぶなら、WireGuardに対応しているものが最有力候補となります。

5. 法人・個人がVPNを導入する具体的な3つのメリット

① 社外から社内システムへの安全なアクセス(テレワークの実現)

営業職の社員が出先からスマートフォンのテザリングを使って社内の顧客管理システム(CRM)を更新したり、在宅勤務中のエンジニアが自宅から社内の開発環境へ安全にログインしたりすることが可能になります。これにより、セキュリティレベルを一切落とすことなく、柔軟な働き方(ワークライフバランスの向上)を推進することができます。

② IPアドレスの隠蔽によるプライバシー保護

通常、インターネットに接続すると、あなた固有のIPアドレスが接続先のWebサイトやインターネットプロバイダー(ISP)に丸見えになります。

VPNを経由すると、あなたのIPアドレスは「VPNサーバーのIPアドレス」に完全に置き換わります。これにより、悪質な広告トラッカーや企業から、あなたのネット上の閲覧履歴、行動パターン、正確な物理的位置情報を追跡(プロファイリング)されるのを完璧に防ぎ、個人のプライバシーを死守できます。

③ 海外からのアクセス制限(ジオブロック)の回避

動画配信サービス(Netflix、YouTube、Amazonプライムビデオなど)や一部のニュースサイトには、著作権や現地の法律の関係上、「特定の国からしかアクセスできない」ようにするジオブロック(地域制限)がかけられています。

例えば、海外出張中に日本のVPNサーバーに接続すれば、システム上は「日本からのアクセス」と判定されるため、海外にいながら日本の動画コンテンツや社内システムを普段通りにストレスなく楽しむ・利用することが可能になります。

6. 利用前に知っておくべきVPNのデメリットとセキュリティリスク

VPNの導入にあたっては、良い面だけでなく、検索ユーザーが特に不安を感じやすい「デメリットや運用上の落とし穴」についても正確に把握しておく必要があります。

通信速度(パフォーマンス)が低下する可能性がある

VPNはデータを送信する前に「カプセル化・暗号化」し、受信した後に「復号(元に戻す計算)」を行います。また、目的地に直接行くのではなく、必ず世界各地にある「VPNサーバー」を中継するため、通常の接続に比べて通信速度が低下したり、応答時間(ピン値)が長くなったりするのが一般的です。

高品質な有料サービスであれば体感できないレベルですが、安価なサービスや設定ミスがあると、Web会議の映像が途切れるなどのストレスが生じます。

情報漏洩の罠?「完全無料VPN」に潜む致命的な危険性

スマートフォンのアプリストアで「無料 VPN」と検索すると、数多くのアプリがヒットします。しかし、これらはビジネス利用はもちろん、個人利用であっても絶対にお勧めしません。

数千台、数万台のサーバーを24時間維持するためには、莫大な電気代や管理コストがかかります。それにもかかわらず「完全無料」で提供できているのには、裏の理由があります。

過去の調査では、多くの悪質な無料VPN業者が、「利用者の通信ログ(どのサイトを見たか、どんなテキストを入力したか)を密かに収集し、裏で広告業者や名簿屋に売却して莫大な利益を得ていた」ことや、アプリ内にユーザーの個人情報を盗み出すマルウェアが仕込まれていた事例が多数報告されています。「セキュリティを高めるために入れたVPNのせいで、全データが流出する」という本末転倒な事態を避けるためにも、信頼できる大手の有料サービス、または自社専用のVPNを構築してください。

VPNとファイアウォールは両方必要なのか?

結論から言うと、両方とも絶対に必要であり、どちらか一方で代用することはできません。

  • VPNの役割: 通信経路の「盗聴や改ざん」を防ぐ、いわば現金輸送車(防弾トンネル)
  • ファイアウォールの役割: ネットワークの境界線で見張り、不正なパケットやウイルスの侵入をブロックする、いわば城門の衛兵(関所)

どれだけ頑丈な現金輸送車(VPN)を使ってデータを運んでも、目的地の社内ネットワーク自体に衛兵(ファイアウォール)がいなければ、輸送車が開いた瞬間に外からハッカーが侵入してしまいます。これらを組み合わせる「多層防御」こそが、2026年現在のセキュリティの鉄則です。

7. 失敗しない!自社・自分に合ったVPNサービスの選び方

数あるVPNサービスや構築プランの中から、後悔しない最適な選択をするための「4大チェックポイント」をまとめました。

【失敗しないVPN選定の4大基準】
1. ノーログポリシーが第三者監査されているか
2. 軍事レベルの暗号化(AES-256 / WireGuard)か
3. サーバー設置国と高速通信のインフラが整っているか
4. トラブル時に24時間対応の日本語サポートがあるか

① ノーログポリシー(No-Log Policy)の明記と第三者監査の有無

個人向け・法人向けを問わず、外部のVPNサービスを利用する場合は「ユーザーの閲覧履歴、IPアドレス、接続時間などのログを一切社内サーバーに記録・保存しない(ノーログ)」と明記しているプロバイダーを選んでください。 さらに重要なのは、その約束が本物であるかどうかを証明するために、「PwC」などの世界的な大手第三者監査機関による独立監査を定期的に受けている実績があるかどうかです。これがあるベンダーは、E-E-A-T(専門性・信頼性)が極めて高いと言えます。

② 暗号化の強度と最新プロトコルの対応

前述した軍事・金融機関レベルの暗号化規格である「AES-256」、または次世代の暗号アルゴリズムである「ChaCha20」が採用されているかを確認します。また、プロトコルとして「WireGuard」が選択可能かどうかも、通信速度と安全性を両立させるための必須条件です。

③ サーバーの設置国数と通信の安定性

世界中にどれだけの自社サーバーを保有しているかも重要です。サーバーの数が多ければ多いほど、1つのサーバーにアクセスが集中して回線が重くなる「輻輳(ふくそう)」状態を避けることができます。また、海外出張やジオブロック解除が目的の場合、目的の国に高速なサーバーが設置されているかを必ず事前に確認しましょう。

④ サポート体制と日本語対応の品質

万が一「VPNに繋がらなくなり、社内業務がすべてストップした」「海外で重要なデータが開けない」という緊急事態が起きた際、24時間365日、ライブチャットや電話で即座に問い合わせができる体制があるかを確認してください。海外ベンダーの場合、サポートが英語のみであることも多いため、完全な日本語による迅速なサポートが受けられる窓口があるかは、ビジネスの継続性を左右する重要な選定基準です。

8. まとめ:自社に最適なセキュリティ体制を構築するためのファーストステップ

VPN(仮想プライベートネットワーク)は、「トンネリング」「カプセル化」「暗号化」「認証」という4つの最新技術を巧みに組み合わせることで、危険が潜む公衆回線上に安全なプライベート空間を作り出す、現代社会になくてはならないインフラ技術です。

テレワークの拡大やサプライチェーンを狙ったサイバー攻撃が激化する現在、企業にとっても個人にとっても、VPNは「余裕があれば導入するもの」ではなく、「自衛のための必須の標準装備」となりました。

この記事を読んだあなたが、安全なネットワーク環境を手に入れるために今日から進めるべき具体的な3つのアクションです。

【今すぐ実践!】安全なネットワーク環境を作るための3大アクション

  • [ ] アクション1: 現在のWi-Fi利用状況の棚卸し
    自社の従業員、あるいはあなた自身が、外出先で「暗号化されていない無料の公衆Wi-Fi」にそのまま接続して業務を行っていないか、リスクのある行動を今すぐチェック・把握してください。
  • [ ] アクション2: 導入目的(用途)の明確化
    「少人数のリモートワーク用(インターネットVPNやSSL-VPNで十分)」なのか、「拠点を丸ごと結ぶ強固なインフラ(IP-VPNや広域イーサネットが必要)」なのか、自社の規模と予算に合わせた方向性を定めます。
  • [ ] アクション3: 信頼できるベンダーの資料請求・比較検討
    「ノーログポリシー」「WireGuard対応」「日本語24時間サポート」を満たす、実績のある大手の有料VPNサービスやネットワーク事業者を2〜3社ピックアップし、見積もりや無料トライアルの相談から始めてみましょう。

9. 関連するよくある質問(Q&A)

VPNの導入・検討段階で、現場の担当者や個人ユーザーから特によく寄せられる5つの疑問に、ネットワークのプロが明快にお答えします。

Q1:無料のVPNと有料のVPNは何が違うのですか?

A1: 最大の違いは「セキュリティの信頼性(裏でのデータ売却リスクの有無)」と「通信の品質」です。

有料VPNはユーザーからの月額費用で健全に運営されているため、最新の暗号化技術を維持し、「ノーログポリシー」を徹底してユーザーのプライバシーを守ります。これに対して完全無料のVPNは、ボランティアではないため、維持費を稼ぐためにユーザーの閲覧履歴や個人情報を裏で収集して広告業者に売却しているリスクが非常に高いです。さらに、通信速度の大幅な制限や、悪質な広告が大量に表示されるといった実用上のデメリットもあります。安全を買うためにも、有料サービスを選ぶのが鉄則です。

Q2:VPNを繋いだままだと通信速度は著しく遅くなりますか?

A2: 高品質な有料VPNであれば、日常業務や動画視聴で遅延を感じることはほとんどありません。

原理上、データを暗号化・復号する処理時間が加わることと、中継サーバーを経由するため、通常の裸の通信に比べると数%〜数十%の速度低下は発生します。しかし、2026年現在主流となっている最新プロトコル「WireGuard」に対応したプロバイダーを選べば、通信のロスを極限まで抑えることができるため、4K動画のストリーミング再生や大容量ファイルの送受信も、繋いでいない状態とほぼ変わらない快適さで行うことができます。

Q3:スマートフォン(iPhone / Android)でもVPNは必要ですか?

A3: はい、カフェや駅、ホテルなどの「フリーWi-Fi」を利用する機会が一度でもあるなら、絶対に必要です。

スマホはパソコン以上に、外出先で自動的に周囲のWi-Fiに接続してしまいがちです。暗号化されていない公衆Wi-Fiの電波をそのまま受信していると、同じ空間にいるハッカーに、SNSのログインパスワードや、 banking アプリの認証情報、LINEなどのチャット内容を丸ごと盗み見られる危険性があります。スマホに信頼できるVPNアプリを入れておき、外出先では常時オンにする習慣をつけることで、これらのリスクを劇的にゼロに近づけることができます。

Q4:VPNとファイアウォール、あるいは統一脅威管理(UTM)との違いは何ですか?

A4: 役割が根本的に異なります。「VPNは道を、ファイアウォールは門を守る技術」です。

ファイアウォール(またはそれを進化させたUTM)は、外部から社内ネットワークへの不正な侵入やウイルスの混入を検知してブロックする「関所・防護壁」です。これに対してVPNは、拠点間や外出先から社内へ向かうまでの「通信経路(道中)」でデータが盗まれないようにする「防弾仕様の地下トンネル」です。どちらか片方だけではセキュリティに大きな穴が空いてしまうため、双方が連携して初めて、企業の強固な多層防御が完成します。

Q5:自宅で個人がVPNを利用し始めるには、具体的にどうすればよいですか?

A5: あなたの「目的」によって、以下の2つのアプローチから選択します。

  • 目的①: 自分のネット閲覧を安全にし、海外の動画などを見たい場合
    世界的大手(ExpressVPN、NordVPNなど)の有料VPNサービスと契約し、専用のアプリをパソコンやスマホにダウンロードします。アプリを開いて「接続」ボタンを1クリックするだけで、数秒で安全なVPN環境が完成します。
  • 目的②: 外出先から「自宅にある特定の機器(NASやPC)」にアクセスしたい場合
    「VPNサーバー機能」があらかじめ搭載されている家庭用Wi-Fiルーター(BUFFALOやASUS製など)を購入し、ルーターの管理画面からVPN(L2TPやOpenVPNなど)の設定を有効にします。その後、外出先の端末からそのルーターへ接続するための設定を行います。

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